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腹が座っている人
311。東日本大震災のときに僕は1年間、被災地(宮城県南三陸町)でボランティア活動をしていました。
全国から集まったボランティア達が、車中泊して瓦礫拾いなどの活動を行っていました。
その中に、一人のお坊さんがいらっしゃいました。
その方は朝一番に起きて、お袈裟と言うのでしょうか。それに着替え被災地に出向き、読経をあげます。
戻って来ると、作業着に着替え、誰よりも早くボランティアセンターに出向き、その日の活動準備をされます。そしてボランティア現場へ。
夕方、作業が終わり誰もが泥だらけ。一人づつシャワーを浴びてさっぱりするのですが、そのお坊さんがシャワーを浴びるのは最後です。
そして夜。ボランティアの束の間の楽しみ、晩御飯です。と言ってもカップラーメンなどが主食です。
そんな中をお坊さんは、保存の効く食べ物をお裾分けしてくれます。
「おおー♪」大喜び。
そして1日が終わります。
ある日、お坊さんがこんな話をしてくれました
迷った時はどうしたら良いですか?
人生には、大きな迷いもあれば、小さな迷いもある。
迷った時は損得勘定で決めたりするものですが、「是」か「非」で決めてはどうですか。
と話をしてくれました。
「正しいと思った事をやりなさい」
腹が座っているとは、そういう事なんだ。とても感動しました。
そのお坊さんの、日頃の行いを知っているだけに、その一言にとても重みがあったのです。
そばに居るだけでほっとする
ボランティアが終わり、カップラーメンの夕食も終えて少しお酒も入ります。
全国から集まったボランティアたちの話は面白いです。
お酒が入れば武勇談の一つも語りたくなります。
たわいもない話を、お坊さんは丁寧に聞いてくれました。
腹は感情が宿ります。第二の脳と言われる所以でしょうか。
ゆっくりと休んでまた明日もがんばろうと思ったものです。