二足歩行が始まり、やがて石器を使いだす

進化

人類の進化と姿勢

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二足歩行が始まり、やがて石器を使いだす

松乃わなり

多くの謎が科学者による地道な研究で解明されています。水中から陸上に上がった理由。哺乳類に進化した理由。これらも解明されています。しかし・・・しかし、未だ解明されてない事があります。

二足歩行の始まりです

一人の女性が

二足歩行のこれまでの説をひっくり返した

318万年前。アフリカ、エチオピアに「ルーシー」という名の女性がいました。

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身長は110cm 体重29kgほど小柄な女性です。脳の大きさは400cc未満。チンパンジーと同じくらい。私たちの脳は1400ccです。

ルーシーは人と同じような骨盤です。二足歩行していた証拠です。

脳が小さいのに二足歩行?

ルーシーの発掘によって、二足歩行の謎は深まります

それまでは、脳が発達 → 二足歩行と考えられていました。重い頭を支えるために二足歩行が有利だからです。

しかしルーシーの発見は二足歩行 → 脳が発達。これまでの定説とは逆だったからです。

なぜ二足歩行が先なのか?その理由はまだ分かっていません。

そもそも二足歩行は、道具を扱えるなどの知性があれば有利ですが、知性が低かったらとても不利です。

二足歩行は走るスピードも遅く敵から逃げるにも不利です。(ヒグマは100mを8秒で走る)骨盤の幅も狭いので出産時の負担も母子共に大きく子孫を残す事も不利です。私たちが普通に歩いている事もしかしたら神の領域かもです。

二足歩行のきっかけ

アフリカの乾燥説が有力です。

ヒマラヤ山脈とアフリカの大地溝帯(長さ6千キロ、幅35〜50km)このおかげで乾燥した空気が入り森がなくなり木から降りて歩き出した説です。

石器を使う

250万年前(330万年の説もあり)

ホモ属が誕生したのは、一番早い説で280万年前。最古の石器文化と言われているのはオルドワン石器(Oldowan)の260万年前(または250万年前)。

この前に、330万年前の「ロメクウィアン文化」と名づけられている文化があったという説があるが、これを認めている人が少ないようです。

ホモ・エレクトスは初め、オルドワン石器を使用していたが、180万年前にアシューリアン(アシュールAcheulean)石器を開発したと考えられています。

まったく違った二種類の人類が登場

200万年前、まったく違った二種類の人類が登場しました。170万年〜150万年前の地層から二種類の人類化石が発見。これは2種類の人類が共存していたのです。

ホモ・エルガステルとパラントロプス・ロブストス

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ホモ・エルガステル

身長は170cm前後でスマートな姿勢、体型です。現代人に近いかも。動物の死骸を探して歩き回って食料としていました。そのために長身になったのかも。骨についた肉や、骨の中にある髄を食べて肉食の始まりです。

パラントロプス・ロブストス

頭の上の突起が特徴で顔の筋肉を支える突起です。硬い木の根を食べていたと考えられ、顎の筋肉の発達のための突起とも考えらられています。身長は150cm前後です。