人類の進化と姿勢
哺乳類に進化したのは火山の噴火がきっかけだった
整体の研究を続けていると不思議な事がときどき起こります。例えば小指と薬指の間をほぐすと首の動きが良くなったり。
解剖学ではどうにも説明がつかない。しかし現実に起こる。
いろいろと勉強していくうちに、生物の進化に辿り着きました。
地球が誕生して46億年。奇跡の積み重ねの上に私たちは存在します。
私たち人間も、動物も植物も、全ての存在が神の領域とも言える奇跡の結果。ずっと勉強してきてこれはスゴイ! と思った事を5話に分けてお届けします。
松乃わなり 整体師、通わせないセルフケアを24年。ジャングルと砂漠を950km走破した冒険家。著書11冊>プロフィール |
体幹ができたのは2億5千万年前
と言われています。
きっかけは横隔膜を作る必要に迫られ、そのためにお腹まであった肋骨を取り去るように進化したのです。これが体幹の始まりで1億年かかっています。
私たちのご先祖様はなぜ体幹を手に入れる必要があったのか?
体幹と横隔膜による腹式呼吸。そして体幹を持つ事によって実現できた奇跡の進化とは? 1億年の壮大なドラマの始まりです。
体幹とは胴体の事ですが・・・
広い意味での体幹と、狭い意味での体幹に分て考えることができます。
- 広い意味での体幹 > 胴体の事です。これに手足、首がついています。
- 狭い意味での体幹 > 腹腔(お腹)の事です。腹腔という空間は4つのパーツで空間ができています(お腹側が腹筋、背中側が腸腰筋など背筋群、底が骨盤底筋、そして上が横隔膜です)
2億5千万年前、私たちのご先祖様は狭い意味での体幹(腹腔)を持っていませんでした。
そして1億年かけてお腹まであった肋骨を取り去り、狭い意味での体幹(腹腔)を作る事に成功しました。
しかしなぜ、1億年もかけて作る必要があったのでしょうか?
きっかけは地球温暖化です
呼吸困難レベルの酸素濃度低下となり、少ない酸素を効率的に取り入れるために1億年かけて横隔膜を作り腹式呼吸が出来るように進化したのです。
横隔膜で腹腔内の圧を変化させ酸素を効率良く取り入れる事で酸素濃度の低下を生き残ろうとしたのです。
地球温暖化のきっかけ。巨大火山の爆発で生物の95%が絶滅!
2億5千万年前。シベリア地方で発生した巨大な噴火(地球中心部からわき上がった直径千キロの火の玉・スーパープルーム)。
火山から排出された40兆トンとも言われる二酸化炭素は地球温暖化を引き起こし、海中のメタンハイドレード(二酸化炭素の20倍の温暖化効果)が一気に蒸発し地球は灼熱の世界へ。
大気中の酸素濃度も減少。これによって生物の95%が大量絶滅したそうです。
酸素濃度30%から10%にダウン
(現代の酸素濃度は約21%)
呼吸困難レベルの低酸素時代は長く続きますが、1億年後には恐竜が登場します。
低酸素時代を経て恐竜が繁栄した理由は長らくの謎でしたが、最近の研究では呼吸システムが改良されたからだそうです。
恐竜の子孫と言われる鳥にみられる気嚢システムです。
気嚢システムのおかげで哺乳類3倍近い呼吸効率を鳥は持っています。渡り鳥が海を渡って飛べるのはそのためです。
私たちのご先祖様も負けてはいません。
呼吸困難レベルの低酸素時代を必死に生き残ろうとしました。それが狭い意味での体幹を作った事です。そしてそれは奇跡の進化をも生み出したのです。
そのために体幹を作ったのです
私たちのご先祖様は、お腹にあった肋骨を取り去りました。呼吸効率を上げるために、横隔膜を発達さたのです。
酸素濃度が低い中で必死に酸素を取り入れるために、お腹全体を覆っていた肋骨を取り去り胸の部分だけにしたのです。
化石が発見されています。発見された化石、ネコくらいの大きさの肉食動物「 トリナクソドン」です。
- 横隔膜を引き下げると、より多くの酸素を取り入れることが出来る。
- 横隔膜を持ち上げると、一気に排気出来る。これが呼吸効率を飛躍的にUP!
これが狭い意味での体幹の形成につながり、横隔膜を作って複式呼吸を手に入れるのです。すごいな・・・
私たちのご先祖様はすごい!
エオマイア、黎明期の母と呼ばれています。
お腹の部分には骨がありません。体長10cmほど。1億2500万年前の姿です。
体幹を持つ事によって実現できた奇跡の進化
哺乳類への進化です。
狭い意味での体幹、つまり腹腔という空間を獲得し、ここで子どもを育てたほうが「何かと安全だよね」と言う事で哺乳類に進化したのだとか。
酸素が少なくなって命の危険が迫っても決して諦めない。コツコツと1億年もかけて危機を乗り越える。
さらに体内で子どもを育てるという劇的な大進化につなげる!
自己啓発本もビックリです。偉大なご先祖様のDNAを引き継いでいる私たち、ちょっとの事で凹たれている場合じゃないですね。