腹からやせるために
下っ腹の贅肉がしつこい理由
ダイエットで身体を壊して、不自然なダイエットはやらないようにして。身体も心も調子が良いわ。
でも、でもでもでも!
下腹部のぜい肉だけは取れない!
食事はすごく気を使っています。メニューはもちろん食べる時間も、とくに寝る前は絶対に食べないようにしています。
ダイエットに良さそうなエクササイズも動画を見ながらやっています。
もちろん頑張った分だけ効果はあります。でも、でも、でも!
この下っ腹!すぐに元に戻ってしまうのです。
やっと落ちたと思っても、ちょっと気を抜くとまたすぐに復活するの。もう呆れるを通り越して感心するわ。
でも思い当たることがあって・・・姿勢が悪いと、ぜい肉がつきやすいって記事を読んだことある。やっぱりそれかしら? それとも年なのかしら・・・
実は僕もそうでした。
姿勢が悪いとお腹にぜい肉がつきやすい。それは言えてますね。見てくださいよ、このみっともない下っ腹。プヨプヨです。
僕がここまで下っ腹が出て体型を崩したのはストレスです。
クレーマーに引っかかり数ヶ月。心をかき乱されてこの腹に。
ストレスが高まるとお腹が痛くなったり、腹を下したりするってありますよね。あれは本当ですね。ストレスは腹やせの天敵。
松乃わなり 整体師、通わせないセルフケアを24年。ジャングルと砂漠を950km走破した冒険家。著書11冊>プロフィール |
多くの人はそれが出来ない。でもあなたはそれが出来た。それは凄い事です。ただ、ちょっとだけやり方が違ってただけです。
腹にぜい肉がつく理由
それを知るために、お腹がある体幹のことを知りましょう!
そもそも・・・体幹って何? どこにあると思う?
体幹ってよく聞くけど、言われてみれば・・・どこだろう?
体幹とは胴体のことを言います。これに首や手足がついている。
そして体幹は3つに分けることが出来ます。上から、胸>腹>腰。です。
体幹をもう少し詳しく
体幹は2つの意味があります
広い意味での体幹と、狭い意味での体幹です。
広い意味での体幹とは、胴体の事を言います
ここに首や手足がつながっている。
さらに胴体は3つに分けることができます。胸。腹。腰。
● 胸は主に呼吸のためにあります。肺や心臓ですね。
● 腹は消化吸収のためにあります。胃や腸ですね。
● 腰は身体全体を支えるためにあります。歩くのもそうですね。
狭い意味での体幹
狭い意味での体幹とはお腹のこと。腹腔と言います。
腹腔は4つの壁で囲まれています。
- 上は横隔膜
- 下は骨盤底筋
- 前は腹筋
- 後ろは背筋や腸腰筋(外から触れることはできません)
体幹の中には、内臓などの大切なものが詰まっていて、外部からの刺激、たとえば殴られたり、暑さ寒さなど身をから守る必要があります。
守るものは、皮膚、筋肉、骨、そして脂肪(ぜい肉)です。
でた! ぜい肉! もしかしてぜい肉も、守ってくれているわけ?
そうなんです。ぜい肉も守ってくれているのです。外部からの刺激でダメージを受けないように。
ぜい肉の正体は中性脂肪。弾力性と断熱効果があるので、外部からの刺激、何かにぶつかったり、暑さ寒さなどから、身を守るのにちょうど良いのです。
だからダイエットを頑張っても、すぐに下腹部にぜい肉が(守るために)戻ってたのです。余計はお世話っぽいけど、じゃあどうすれば良いか?
ぜい肉以外で体幹を守るには
外部からの刺激(打撃や暑さ寒さなど)身をから守るものは骨と筋肉、脂肪(ぜい肉)がありました。
実はこれら以外にも守ってくれるものが人体にはあるのです。それは・・・
丹田です。
丹田は「気」の集まる部分で、体幹には丹田が2つあります。胸の位置にある中丹田。下腹部にある下丹田。
丹田がキュッと緊張して(そこに気が集まる)身体を守ってくれているのね。
しかし、丹田には一つ弱点があります。なんだと思いますか?
丹田には一つ弱点? なんだろう? 猫背?
猫背だと下腹部はタプタプに緩むみたいだし・・・
猫背。すばらしい正解です! 悪い姿勢は丹田の弱点なのです。
下っ腹にぜい肉をつけない。そのために最も効果的な方法は、姿勢を良くして丹田を意識することです。
胸の部分にある中丹田は、バストアップの姿勢をとると丹田を感じやすいです。
下っ腹にある下丹田は、おへそを上に引き上げると意識しやすいです。マイケルジャクソンが、ダンスパフォーマンスのときによくやっていました。
下っ腹にぜい肉がつく理由
質問です。
お腹にぜい肉がつく理由は分かりました。お腹を守るため。そして下丹田で守ることも分かりました。
でも、なぜ下腹部にぜい肉がつきやすいのですか?
筋肉の特徴が関係しているのです
その事を知るために体幹の構造をもう少し詳しく学びましょう。
体幹は胸、腹、腰の3つに分けられます。
胸は
外部からの刺激を皮膚と骨(肋骨)で守っています。
ただし骨でカチカチに固めてしまうと折れやすいので、軟骨でつながって、たわむように出来ています。
プロレスの技で、レスラーが相手の身体にドカ〜ンとぶつかっても肋骨が折れないのは軟骨のおかげです。「柔よく剛を制す」ってやつですね。
腹
腹は背中に背骨が通っているだけです。肋骨の下はぐるっと一周、背骨のところ以外は骨が無い。骨が無いので無防備と言えば無防備。
なぜ腹には骨がないのか?
呼吸のためです。より深い呼吸をするためにお腹は膨らんだり凹んだりして呼吸をしているのです。
これ、上向きになって寝ると体験できます。お腹が凹んだり膨らんだりして呼吸をしています。
お腹は呼吸のために(腹式呼吸)骨がない。骨で守れない。その代わりに4層の腹筋でしっかりと守っています。
4層の腹筋を見る
腰も骨で守られています。骨盤です
しかし胸との違いは、胸は肋骨が胴体全体を囲んでいるのに対して、骨盤は後〜横にかけてしか骨がありません。前部分は骨が無いのです。
下腹部には骨が無いのは分かりました。でもその分を腹筋運動を頑張って腹筋を鍛えれば良いのでは?
鋭い指摘。確かに腹筋を鍛えると良さそうですよね。しかし!
腹筋を頑張って鍛えても下腹部は極めて鍛えにくいのです。
腹筋に限らず筋肉全般(骨格筋)に言える事ですが、筋肉の起始部分は鍛えにくいと言う特徴があるのです。
筋肉の起始部分とは、筋肉の両端が骨につながっていて、身体の中心に近い方の端の事です。
下のイラストでは腕の力コブの筋肉(上腕二頭筋)の肩の近くの筋の部分は鍛えにくいのです。
腹筋も同じで、腹筋は肋骨から骨盤につながっています(下イラスト)
身体の中心は骨盤なので(大事な部分ね)腹筋の骨盤側、つまり下腹部は鍛えにくいのです。
だから普通に腹筋運動を頑張っても、下腹部は鍛えられない。下腹部を守るものが無いのでぜい肉をつけて守ろうとするのです。
だから下腹部はぜい肉がつきやすい。
腹筋運動を頑張っても、下腹部のぜい肉対策にはならないのですね。
ご安心ください。大丈夫な仕組みがあるのです。身体には。
下腹部には丹田(下丹田)があったでしょう。丹田を活かすのです。丹田で下腹部を守るのです。
正しい姿勢>下丹田が緊張>下腹部を守れる>ぜい肉つきにくい♪ となります。
この時に体幹にはもう一つの力が加わります。
それが体幹にかかるテンションです。テンションとはゴム紐が「ビヨーン」と伸びるようなやつ。
これが体幹にかかって理想のプロポーションを作り出すのです。
体幹にかかるテンション。次号につづきます!