姿勢矯正で壁と腰の隙間は手のひら一枚が理想?
壁際に立ち、腰と壁の隙間の幅が手のひら一枚分が理想とよく言われますが、これは本当でしょうか? 個人差はないのでしょうか?

- 手のひら一枚も入らない場合: 下の写真の左から二番目のように、骨盤が後傾して猫背になっています。
- 手のひら二枚入る場合: 下の写真の右端のように、骨盤が前傾しすぎて反り腰になっています。
つまり、骨盤の前傾や後傾の角度によって、正しい姿勢か猫背や反り腰かが決まります。

骨盤の前傾と後傾による姿勢の変化
骨盤が前傾すると、下の写真の左のように反り腰気味になり、壁との隙間は広がります。
逆に骨盤が後傾すると、下の写真の右端のように隙間は少なくなります。
骨盤の角度が正しいと、下の写真のように姿勢が正しくなります。そのときの目安として、腰と壁の隙間が手のひら一枚分と言われています。
しかし、このブログで強調したいのは、手のひら一枚分に個人差はないのでしょうか? という点です。

そもそもなぜ?と質問してみましょう
そもそも、絶対に手のひら一枚の幅でなければいけないのでしょうか?
そもそも、手のひら一枚の幅が正常とされる理由はなんでしょう?
そもそも、その情報源はどこ(誰)でしょう?
そもそも、手のひら二枚ではダメなのでしょうか。逆に、0.5枚ではダメなのでしょうか?
物事には必ず根拠が大切です。理論があり、それを検証することで、誰の目から見ても正しいという根拠が生まれます。
「そもそも…」という質問をすることで、その根拠への入り口が見えてきます。
腰と壁の隙間。なぜ1枚なの?
「雑誌に書いてあった」「ネットに書いてあった」「先輩から聞いた」
これでは説得力がありません。
ちなみに、松乃わなりの腰と壁の隙間は0.5枚がベストポジションです。南米アマゾンのジャングルを250kmマラソンに出場したときも、とにかく骨盤の角度を0.5枚ぐらいに意識して完走を果たしました。
つまり、手のひら一枚というのはあくまで参考値であり、個人差があるはずです。
腰と壁の隙間が手のひら一枚分というのは参考であって、その方にとっての絶対値ではありません。
では、どうやって個人個人の最適な腰椎のカーブを見つけるのでしょうか?
最適な腰椎のカーブの見つけ方
最適な腰椎のカーブを見つけるには、骨盤が自然に閉じた状態を作ることがポイントです。
壁沿いに立ち、骨盤を前傾・後傾させながら、最も骨盤が緩まずに閉じやすい角度を見つけます。手のひら0.5枚から1.5枚の幅で個人差があります。
- 壁と腰の隙間が全くない方
- 隙間が2枚以上ある方
これらの方は、骨盤が締まりやすい角度が他の人と異なり、別の部分に問題を抱えている可能性があります。その問題は多くの場合、足首、体幹、肩甲骨に関連しています。
また、猫背で肩こりがひどく、肩甲骨が外側に広がっている場合も同じような問題が起こります。つまり、全身を総合的に見ておくことが非常に重要です。
姿勢矯正で壁と腰の隙間のまとめ
絶対ではなく、許容範囲があり、体格にもよります。
壁と腰の隙間(腰椎の前弯のカーブ)は、骨盤の傾斜角度で決まります。
専門的には、骨盤のPSIS(上後腸骨棘)がASIS(上前腸骨棘)よりも指2本分くらい高いと、腰椎のカーブも壁との隙間が手のひら一枚分くらいになるはずです。
しかし、これはあくまで参考値であり、個人差があります。絶対に手のひら一枚分でなければならないわけではありません。
では、どうやって最適な角度を見つけるのでしょうか?
動きの中で見つけていくしかありません。
最も動きやすい角度、最も楽な動きの角度を探していく必要があります。骨盤力の場合、骨盤が自然に閉じた状態を作れる角度が理想です。
そのためには、正しい動き方の知識も必要です。人間の体は奥が深いものです。