O脚と猫背の関係とは? 骨盤やヒザの関係を交えながら解説
O脚と猫背の関係とは? 骨盤やヒザの関係を交えながら解説
猫背とは骨盤にあるべき重心が上がっている状態とも言えます。猫背など姿勢が崩れると重心が腰高となり不安定になります。すると不安定な上半身を支えるために脚は外側に広がろうとします。これがO脚の原因となります。
猫背ではヒザが曲がり腰高になる。O脚、X脚の原因です
猫背では重心が腰よりも上に来ます
さらに歩くときはヒザを軽く曲げてバランスをとるようにします。つまり猫背は重心位置が高くてアンバランスなのをヒザを軽く曲げてバランスを保っているとも言えます。O脚、X脚の原因です。
ヒザが伸びる > 疲れにくい立ち方
膝がピンと伸びる事は疲れにくい立ち方の工夫でもあります。(スクリューホーム運動と言います)しかし膝が伸びない事で疲れにくい立ち方の工夫が効かなくなりカラダはさらに歪んでいきます。
疲れ果てた時、あなたはまっすぐに立っているでしょうか? 疲れ果てた時、姿勢良く座っているでしょうか? そこまで極端ではないですが同じことが猫背では起こっています。さらに猫背で重心が腰高だと頭が揺れやすくなります。この揺れがさらに歪みを強めていきます。

猫背とO脚、骨盤重心の関係
猫背は重心が腰よりも上
O脚矯正のポイントは猫背を治して重心を腰の位置に戻すことです。写真左のO脚は重心の位置が肩甲骨下部にあるのがわかります。そしてO脚矯正後は重心が腰の位置にきちんとあります。

猫背になるとヒザが曲がります
正しい姿勢で歩くと、ヒザは伸びたり曲がったりを繰り返します。
これがスラリと伸びた脚を創ります。しかし猫背など悪い姿勢では、ヒザを軽く曲げた状態を維持しなければ歩けません。ヒザを曲げたまま歩く。これが長年積もり積もって脚の歪み(O脚など)を作り出します。

猫背と正しい姿勢での歩き方の比較動画です
猫背では膝が曲がったまま歩いている事が分かります
姿勢矯正を行わないで単純に脚の歪みだけを矯正したとしても、歩き方が猫背ではすぐに元に戻ってしまいます。歩き方が変かなと思われる方は骨盤で歩く方法も参考にしましょう>>>
骨盤の歪みについて
O脚やX脚など脚の歪みを語る時に骨盤の歪みが必ず出て来ますが、まず骨盤は歪みません。もしも歪んでしまったらそれは緊急入院の世界です。さらに骨盤の左右の高さなどが違うこともあまり意味のないことです。
大切なことは骨盤が緩んだ状態(骨盤が歪んだとは違います)つまり骨盤底筋が緩んだ状態はなぜ発生しているか? です。なぜ骨盤が緩んでいるのか? その原因を突き詰めていくと骨盤単体に原因があるのではなくて姿勢と体幹の正しい使い方に行き着きます。なぜなら骨盤は姿勢と体幹の土台だからです。
猫背は頭が揺れやすい
この揺れがO脚化を加速させます
立って目を閉じます。カラダがゆらゆらと揺れているのが分かります。カラダの中で最も重たい頭が一番上にあるから揺れるのです。
頭は人体のなかでも最も重たいパーツです。体重の7〜10%の重さを占めます。人間はその重たい頭がカラダの一番てっぺんにあるのです。しかしこれは建築の世界ではあり得ない事です。なぜなら重たいものがてっぺんにあると安定が悪くなるからです。地震にも弱い。だから写真のようにビルも家も上を軽く作ります。しかし人間は頭(一番思い)が上にある。

重たい頭が一番上にあるので揺れやすいのです
この揺れを抑えるために人間は、抗重力筋という仕組やバイアスをかけて立つという工夫を長い進化の歴史(700万年?)のなかで手に入れました。しかしこの揺れを抑える仕組みは猫背では機能しにくくなります。実験してみると30%ほども揺れを抑える機能が低下しているようです。
猫背は重心が腰高で揺れやすいです。さらに重たい頭がてっぺんにある事でますます体の揺れが大きくなり、揺れを止めにくくなります。そのために猫背は足元が不安定になります。
なぜ重心が腰高になるの?
足元が不安定だからです
写真左のスケート初心者の女性をごらんください。こわごわと立っています。スケート初心者なのでツルッと滑って転ぶのが怖いのですね。

写真右端のスケート初心者の男性。左端の女性よりはスケートは上手そうですが、それでもまだ初心者っぽいです。初心者っぽさは肩とヒザに出ています。
やや上手な人はヒザに注目しましょう。内転筋を引き締めてヒザが揃っています。写真後方に上級者が滑っていますが肩とヒザに注目しましょう。肩はリラックスしヒザが揃ってかなり上手そうです。
スケート上級者と初心者の決定的な違いとは!
- スケート上級者の重心 > 腰にありヒザが揃い、肩はリラックスする事ができます。氷の上でも正しい姿勢を取れます。
- スケート初心者の重心 > 足元が不安なので、肩を持ち上げ何かにつかまるような姿勢をとります。そのために重心は肩甲骨付近に移動します。猫背になってしまう。
スケート初心者は転びそうで怖いので脚を外側に開きます。さらに何かにつかまりたい姿勢となり肩に力が入ります。すると重心が上がりへっぴり腰になってしまいます。この姿勢では骨盤は緩みます。
スケート初心者の写真と下イラスト(左)を見比べてみましょう。共通点が多く猫背とO脚の関係が分かるかと思います。イラスト右(重心が腰)を作る事がO脚矯正では基本中の基本なのです。
スケートほどは極端ではありませんが、足元が不安定となる要素です
- 扁平足。
- 巻き爪。
- スネの筋肉を使う事を忘れてしまった。
- 足首の角度。
- ヒザの角度。
- 靴が合わない。厚底のサンダルを好んで履く。
- 骨盤力の低下などです。
これらの要素が重なると足元が不安になり、スケートほどではありませんが重心は肩甲骨に移動し肩に力が入り始めます。猫背の始まりです。